業界による自主管理制度
器具容器包装の成分による管理は、これまでも原材料供給者と使用者の業界の協力により自主的に運用されてきた自主基準と確認証明制度に見ることができます。代表的なものがポリオレフィン等衛生協議会による自主管理事業です。ほかにも塩ビ食品衛生協議会、塩化ビニリデン衛生協議会も運営していました。今回の法制度が導入できたのも、既にそうした取り組みがあったからと言うことができるでしょう。法についての厚生労働省による通知の中にも3衛生協議会の自主基準及び確認証明制度への言及があります。
2020年6月に法規制が施行され、ポリオレフィン等衛生協議会の確認証明制度は法適合が確保される範囲の修正自主基準で運用することになり、塩ビ食品衛生協議会の確認証明制度は確認証明書新規交付を止め、塩化ビニリデン衛生協議会の確認証明制度は終了しました。2021年4月以降、3団体の食品用器具容器包装及びその原材料に関する業務は一般財団法人化学研究評価機構が承継しています。
法規制との違い
法規制とこれら業界による確認証明制度はポジティブリストを使って成分を管理する点こそ同じですが、任意のルールと強制力のある法規制は性格が異なります。また、法による基準は器具容器包装の基準であって、自主基準のように原材料での運用は想定されていません。基準整備の考え方も、自主基準は海外法制において衛生的と認められているものと同等のものは適合するよう整備してきたのに対し、法律に基づく基準は、施行前に製造されている実態があれば2025年5月末までは適合とみなすとの経過措置が設けられ、施行前に製造されている器具容器包装と同等のものはすべて基準に含めるとの方針で整備が進められています。将来的には適合すれば衛生的といえるポジティブな基準で整備していく方針とのことですが、当面の基準整備方針には、あえて言えばネガティブな意味合いが残っています。
法対応のための課題
法規制導入に際し3衛生協議会は法基準と自主基準の照らし合わせを行い、確認証明書を取得して流通している原材料を使い確認証明書を取得した器具容器包装はおおむね法適合することを確認しており、また、経過措置や基準整備方針を鑑みれば、既存品あるいはその同等品についての確認証明書制度適用は実質的に問題がなさそうです。とはいえ、そうした行政による基準整備には、どう整備する必要があるかの情報を当事者から行政へ提供しなければなりません。当面は、個別案件ごとに法適合性をチェックすることが期待されます。
新たな原材料や新処方の開発も活発に続いています。既存品やその同等品の範囲を超えた事業が法規制に対応するためには、適合すれば法規制にも適合するような自主基準を整備してその適合を確保しながら事業を行うことも一案ですが、自主基準は衛生性を確保する基準として法規制とは統合せずに運用し、法適合は別途確認することも有力な対応案です。